Column

予防歯科

毎日の食事が歯の健康につながる

こんにちは!吉川歯科医院です。

毎日何気なくしている「食事」ですが、歯とお口の健康に深く関わりがあることをご存知でしょうか?

虫歯や歯周病を予防するために歯磨きを行うこともとても大切なことですが、生活習慣の一つである「食事」もとても重要な役割を担っています。

今回は毎日の食事と歯の関係、さらに健康なお口にするためのポイントをご紹介いたします。

食生活が歯に与える影響

普段、私たちのお口の中は中性に保たれています。ですが、糖分が多い食べ物や飲み物は虫歯菌のエサとなり頻繁に摂取してしまうと、お口の中で細菌が糖を分解し酸を生成します。ここでお口の中は一気に酸性に傾き歯の表面であるエナメル質が溶け始めます。これを「脱灰」といい虫歯が始まる状態のことをいいます。

しかし、ここまで聞くと「食事をする度に歯が溶けて虫歯になるのでは?」という疑問も生まれると思いますが、私たちのお口には「唾液」という強い味方があります。

食後しばらくすると、唾液の働きにより酸が流されて、お口の中は中性に戻っていきます。この時に唾液に含まれるカルシウムやリンなどの成分によって再び歯が修復される現象を「再石灰化」といいます。

ですが唾液の分泌量が少ないと、この再石灰化が追いつかず虫歯が進行してしまいます。

また糖分を頻繁に摂取すると細菌がそれをエサにしてネバネバとした成分を作り歯垢(プラーク)となります。

この歯垢(プラーク)の内部は酸素が薄いため酸素を嫌う歯周病菌にとって最高の繁殖環境になるため菌の数が増えて歯茎の炎症に繋がり歯周病が進行してしまいます。

このように私たちのお口の中では歯が溶け始める「脱灰」と歯が修復される「再石灰化」が毎日繰り返されています。このバランスが崩れることで虫歯や歯周病のリスクが高くなってしまいます。

なぜダラダラ食べがよくないの?

ダラダラ食べとは、時間を決めずに少しずつ時間をかけて食べ続けることをいいます。

特にテレビやスマホを見ながら食べることや友達や家族とおしゃべりをしながら食べること、ストレスや疲れが溜まっている時など当てはまる方も多いのではないでしょうか?

ですが、ダラダラ食べをしてしまうとお口の中で酸性のままが続いてしまい、唾液による再石灰化が十分にできず歯の修復が追いつかず虫歯に繋がってしまいます。

また、ダラダラ食べをしていると血糖値が常に高い状態になるため、糖を脂肪に変える働きをもつインスリンが過剰に分泌されてしまうため肥満のリスクにも繋がってしまいます。さらに、膵臓にも大きな負担がかかってしまうため将来、糖尿病になるリスクも高まるといわれています。

ダラダラ食べを防ぐためにも食事の時間を決めることやテレビやスマホを見ないで食事に集中すること、よく噛むことを意識していきましょう。

「食べる」ことの第一歩は「噛む」ことから!

毎日の食事で意識していただきたいのが

「よく噛むこと」です。

毎日忙しいことで早食いになるに大人や習い事や部活で忙しい子供たちで生活リズムがバラバラで食事も偏る方も多いかと思います。そんな時に簡単にできる柔らかいインスタント食品やレトルト食品に頼りがちなため、現代では「噛めない」「噛まない」人たちが増えています。

よく噛まない、噛めないと、肥満や歯列不正、虫歯や歯周病の進行、心臓病、脳卒中、糖尿病など生活習慣病の原因にも繋がってしまいます。

噛むことのメリット

しっかり噛むことは顎や歯の発達ばかりでなく、全身の健康に大きく影響してきます。その効用を端的に表現したのが「ひみこのはがいーぜ」です。

ひ:肥満防止

噛むことで自然な食欲抑制メカニズムが働きダイエット効果が生まれ、生活習慣病の予防にも繋がります。

み:味覚の発達

噛むということは味わうということです。味覚も噛むことで発達します。

こ:言葉の発音がはっきり

噛むことで顔面全域の発達やお口の中が正常に発達し言葉の発音も明瞭になります。

の:脳の発達

噛むことによる筋肉運動で脳細胞の代謝や活動が活発になり、脳への血液循環もよくなります。

は:歯の病気予防

噛むことで歯を支えている歯周組織や顎が発達するばかりか歯の清掃効果も生まれます。

が:がん予防

良く噛むことで唾液が促進され、唾液としっかり噛んで粉々になった食べ物を混ぜることで食品中の発がん性が抑制されます。

い:胃腸の働きを促進

食品を噛み砕くことで胃腸への負担を和らげ、健全に胃腸の働きを活発にします。

ぜ:全身の体力向上

しっかり噛むことで全身に力が入り体力向上の促進になります。

お子さんがいらっしゃる方は食事の際に、お子さんの咀嚼数を数えてみてください。

また「さっさと食べなさい」「はやく食べなさい」といった言葉をかけていませんか?食事を急かしてしまうと噛まずに飲み込む習慣が身についてしまうことがあります。よく噛む習慣をつけるためには食事の時間に余裕を持ちひと口で30回を目標にしましょう!

大人の方もよく噛むことが大切になります。

噛むことによって唾液が分泌されて食べ物の消化を助けるだけでなく、歯や粘膜の汚れや菌を洗い流し虫歯や歯周病の予防にも繋がります。また、噛むことは脳との連携です。

食べ物の情報を脳に送り、強くとか弱く噛めなど脳からの指令があり脳も働くため、噛むことの筋肉運動で脳細胞の代謝が活発になります。それによって、脳への血液循環も良くなり十分な酸素と栄養が運ばれ、脳の発育を促進させます。

毎日の食事でよく噛むことでお口の健康だけでなく全身の健康を守る一歩にもなります。

歯や歯茎を丈夫にする栄養素

・タンパク質

歯はエナメル質・象牙質・セメント質・歯髄から構成されています。タンパク質は象牙質やセメント質の部分を形成するにあたり、重要な役割を果たしています。象牙質やセメント質はコラーゲン繊維状こタンパク質を主成分としているため、健康に維持するためにはタンパク質の存在が不可欠です。

主に肉・魚・卵・大豆製品・牛乳・ヨーグルト・チーズ

・ビタミンC

歯茎のコラーゲンの生成を助け、健康な歯茎を維持するために欠かせない栄養素です。抗酸化作用があり、歯茎の健康を維持し歯周病予防にも繋がります。また歯茎の炎症を抑え、傷ついた組織の修復を助ける働きがあります。

主にジャガイモ・ブロッコリー・キウイ・いちご・みかん・レモン

・ビタミンD

カルシウムの吸収を促して歯を丈夫にするだけでなく、優れた抗炎症・免疫調整作用により歯茎の健康維持に不可欠です。また、歯槽骨の密度を維持し歯のグラつきや抜け落ちるリスクを減らします。

主に鮭・さんま・いわし・さば・干し椎茸・卵

・ビタミンA

歯の表面にあるエナメル質・象牙質の形成を助け、虫歯菌に対する抵抗力を高めます。また、粘膜を強くし歯茎の炎症を抑えたり再生を助けたりする働きがあります。お口の中の感染症を防ぎ歯周病のリスクを減らす効果も期待できます。

主にほうれん草・にんじん・かぼちゃ・小松菜・レバー・うなぎ

・カルシウム

カルシウムは歯槽骨の主成分です。不足すると骨が脆くなり、歯周病の悪化や歯を失うリスクが高まります。成人の歯には唾液に含まれるカルシウムやリンが歯の表面を修復する再石灰化の働きがあり虫歯予防にとても重要な役割を果たします。

主に牛乳・ヨーグルト・チーズ・小魚・豆腐・納豆・小松菜・ひじき

・リン

カルシウムと共にエナメル質・象牙質を硬く丈夫にするために欠かせない栄養素です。唾液中に含まれるリンやカルシウムが食事で酸性になったお口の中を中和し歯の表面を修復(再石灰化)する働きを助けます。

主に肉・魚・卵・大豆製品・牛乳・チーズ・ヨーグルト

噛むと言う行為は、美味しく食事をとれるばかりか全身の様々な健康維持に欠かせない習慣です。そして、その健康維持するためには健康な歯であることがとても大切です。人間の永久歯は再生することができませんので、ご自身の将来のため、お子さんの将来のためにできることから少しずつ始めていきましょう。