Oral Surgery
口腔外科・その他治療

口腔外科について
口腔内の外科手術を必要とする場合に行われる治療です。
代表的なものとしては親知らずの抜歯が挙げられますが、重度の歯周病の治療にあたる歯周外科・顎関節症・口唇や舌のトラブル・歯の外傷など多くの症状に対応した手術や外科処置全般を行います。
また当院では、CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)を導入し、痛みを和らげる治療を行い、抜歯および外科処置や口内炎・口角炎の治療にも効果が期待できます。
智歯(親知らず)の抜歯も当院では自院で行っております。
口腔外科の治療では、手術のほかにも精密な検査や診査が必要になるケースが多くなりますので、患者様には当院から大きな病院を紹介させていただきます。
顎関節症

起床時に感じる顎の痛みや側頭部の違和感、口を開ける際のカクカクという音。これらの症状は顎関節症の典型的な警告サインです。
主な原因は関節円板の位置異常や咀嚼筋の機能障害にあります。両方が複合的に関与するケースも少なくありません。当院では詳細なカウンセリングと精密検査を実施し、原因を明確にしたうえで治療方針を決定いたします。
顎関節症は障害が発生している部位により、関節性・筋肉性・混合性の3タイプに分類されます。それぞれの特性を踏まえた適切な治療アプローチが必要となるのです。
噛み合わせと顎関節症の関係性
単一の原因ではなく、複数の要因が複雑に絡み合って顎関節症は発症いたします。
代表的な要因として、無意識に上下の歯を接触させ続けるTCH(歯列接触癖)があります。これに加えて、グラインディング(歯ぎしり)・クレンチング(食いしばり)・タッピング(カチカチ噛み)などの悪習癖も大きく関与しているのです。こうした習癖により筋肉や関節に持続的な負荷がかかると、やがて機能障害へと発展していきます。
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グラインディング

上下の歯を咬み合わせたまま、左右にギリギリと擦り合わせる動きです。
垂直方向の強い圧力に加え、横方向の擦過運動が加わるため、歯の摩耗や顎関節への負担は極めて深刻となります。特徴的な音により家族から指摘を受けることが多いですが、音を立てずにグラインディングする方も一定数存在いたします。放置すれば歯の破折や顎関節症へと発展するリスクが高まります。 -
クレンチング

上下の歯を強く噛み締める動作で、音が出ないため発見が遅れがちです。
仕事や勉強での集中時、ストレス下で無意識に行われることが多く、本人の自覚がないケースがほとんどです。顎の疲労感や頭痛が続く場合、知らぬ間にクレンチングが習慣化している可能性があります。家族にも気づかれにくいため、症状が進行してから発覚することも珍しくありません。 -
タッピング

カチカチという特徴的な音を立てながら、上下の歯を小刻みに接触させる習癖です。
音が出るため周囲に気づかれやすく、家族から指摘を受けて初めて自覚する方が多くいらっしゃいます。他の歯ぎしりと異なり強い力はかかりませんが、持続的な刺激により顎関節や咀嚼筋に炎症を起こすリスクがあります。「最近カチカチ音がする」と言われたら、症状が軽いうちに受診することが大切です。
顎関節症の治療法
顎関節周囲の画像診断により原因を特定した後、症状に応じた治療を開始いたします。
理学療法による筋肉の緊張緩和・マウスピースを用いた咬合調整・薬物療法による炎症コントロールなど、複数の治療法を組み合わせることで効果を高めます。
時間が経過して慢性化すると治療効果が低下し、悪い動作パターンが定着して再発を繰り返すケースもあるため、異常を感じたら早期の受診が重要です。
ナイトガード

ナイトガード(マウスピース)は、顎関節症の治療や予防に効果的な治療器具です。歯ぎしりや食いしばりを防ぐことで、顎関節への負担を軽減し、症状の進行を抑えることができます。
ボツリヌス治療
咬筋に専用薬剤を注射することで筋肉の過度な収縮を抑制いたします。筋肉や関節への持続的な負荷が大幅に軽減できます。効果の持続期間も長く、多くの患者様から高い評価を得ている治療法です。
メリット
- 副採用がほとんどない
- 施術時間が短い
デメリット
- 薬剤の効果が弱いときに、2ヵ月程度待たないと追加投与できない
- 薬剤に対してアレルギーのリスクがある
- 保険適用外のため、自費による診療となる
| 料金(税込) | 1本 55,000円 |
|---|---|
| 治療期間 | 1日 ※治療後のメンテナンスが必要となるため、数回通院する可能性がある |
| 治療回数 | 1回 |
その他治療
歯ぎしり・食いしばり

睡眠中に無意識で行われる歯のこすり合わせが歯ぎしり、覚醒時の強い噛み締めが食いしばりです。どちらも歯や顎関節、周囲の筋肉に深刻なダメージを与えます。
自覚症状がないまま進行することが多く、歯の異常な摩耗や顎の痛みで初めて気づくケースが大半を占めます。放置すれば歯の破折や顎関節症へと発展する危険性があるため、早期の対策が必要となります。
全身のバランスと関係する噛み合わせ
咬み合わせが悪いと、物をうまく噛めないだけでなく、身体のいろいろな部分にズレが生じます。首や肩が凝る、頭が痛いという場合も、咬み合わせが原因という可能性があります。
上下の歯がしっかり噛み合うことで、顔のゆがみが整ったり、姿勢がよくなったりすることがあります。また脳や免疫系にもよい影響を与えるため、咬み合わせ治療によって「身体の調子がよくなった」「不眠やうつ状態が改善した」という声もよく聞かれます。
スポーツマウスガード

コンタクトスポーツにおいては受傷者の大半が、口腔内に何らかのダメージを受けており、その多くは前歯の破折や脱臼です。学校での怪我を調査すると、歯や口の周りのケガが極めて高い割合を占めていることが判明しています。特に運動部活動が盛んな中高生では発生率が上昇し、多くの学生が年間を通じて顎や歯への衝撃を経験しているのです。
残念なことに、これらの事故の大部分は予防可能でした。適切なマウスガードを装着していれば、歯の破折や脱落を防げたケースがほとんどです。ようやく日本でも、スポーツ時の口腔保護の重要性が認識され始めています。
咬み合わせとスポーツのパフォーマンスの関係
「歯を食いしばればパワーが出る」という考えは、必ずしも正しくありません。瞬発的な力が必要な場面では、確かに咬み合わせの改善が効果を示しました。しかし短距離走やゴルフなど競技では、むしろ噛み締めがパフォーマンスを低下させるという結果が出ています。
陸上競技では「手を握ると腕振りが遅くなる」ことが定説です。一流ランナーは皆、手をリラックスさせて走ります。これと同じ原理で、過度な噛み締めは身体全体の緊張を生み、スムーズな動作を妨げると考えられているのです。
料金案内
| 料金(税込) | 22,000円 |
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睡眠時無呼吸症候群・いびき

いびきには大きく分けて2種類存在いたします。鼻づまりや飲酒、疲労による一時的な単純性いびきと、睡眠時無呼吸症候群に伴う病的ないびきです。
単純性いびきは原因を取り除けば改善し、健康上の大きな問題はありません。しかし睡眠時無呼吸症候群によるいびきは、全身への酸素供給が低下することで様々な合併症を引き起こします。高血圧・不整脈・狭心症・心筋梗塞などの循環器疾患のリスクが顕著に上昇するため、早期の診断と治療介入が不可欠となります。
睡眠時無呼吸症候群の原因
眠っている間は筋肉がゆるむため、のどの空気の通り道が狭くなります。
健康な人でも多少は狭くなりますが、問題はありません。しかし肥満で脂肪がついたり、扁桃腺が大きかったり、あごが小さかったりすると、空気の通り道がふさがりやすくなるのです。最も多いのは、舌の付け根がのどの奥に落ち込んでしまうケースです。これが閉塞型睡眠時無呼吸症候群の主な原因となっています。
睡眠時無呼吸症候群の治療法
マウスピース療法(スリープスプリント)

歯型をとって作る専用のマウスピースで、下あごを前に固定いたします。すると舌がのどに落ち込むのを防ぎ、空気の通り道を確保できるようになります。肥満による圧迫も軽くなり、いびきと無呼吸の両方が改善されます。
ナイトガード

夜用のマウスピースは、下あごの位置を整えて空気の通り道を保ちます。口呼吸から鼻呼吸に変わることで、ぐっすり眠れるようになり、口の乾きも防げます。歯ぎしりの力を全体に分散させるため、特定の歯だけが傷むこともありません。

早期発見・早期治療がカギ!
痛みを感じる前から、口腔トラブルは静かに進行しています。
むし歯や歯周病は初期段階では無症状のため、気づいた時には神経近くまで達していたり、歯を支える骨が大きく失われていたりすることがほとんどです。しかし定期検診を受けていれば、こうした問題を早期に発見でき、簡単な処置で対応可能となります。
早期治療のメリットは治療内容だけではありません。削る量が少なくて済むため歯へのダメージも軽微で、治療期間も短く、結果的に費用も抑えられるのです。
当院では患者様の生活習慣や口腔内のリスクを詳しく評価し、その方に合った予防プログラムを作成いたします。