歯を抜いた後はどうなるの?
こんにちは!今回は歯を抜いた後、抜けた後の治療の選択肢についてお話しします。
何らかの原因で抜けてしまった歯を特に不自由がないからとそのまま放置したり、これから放置することを考えたりしてはいませんか?
歯が無い状態は実はみなさんが想像している以上に大きな悪影響を及ぼします。
悪影響①
噛む能力が落ちて会話も不自由に!
奥歯が無くなると確実に「噛めなく」なります。特に前から6番目、7番目の奥歯(大臼歯)を一本失っただけで、すりつぶす力が30%も落ちると言われています。
ニッコリ笑ったときに歯が抜けていたら、印象としてプラスに働くことはまずありません。さらに、前歯が無くなると息漏れしたり発音が不明瞭になったりするため、会話にも問題が出ます。
悪影響②
抜けたところだけではありません!
歯は隣同士の歯が倒れないようにお互い支え合っています。歯がなくなってしまったまま放置すると、隣の歯が傾斜してしまいます。
また、無くなった歯の反対側の歯は噛み合う相手を失ってしまうことで、時間と共に歯が浮いてきてしまい、伸びたようになります。
奥歯を失った状態でいると、本来「奥歯が噛むはずだったもの」を、他の歯で噛むようになります。すると、その負担に耐えきれず、他の歯までもが割れたり折れたりすることもあります。
また割れた歯は、抜歯や神経の除去が必要になる場合もあり、「抜歯後の放置」が健康だったはずの歯まで失う原因になります。
悪影響③
健康な歯までもがこんな病気に…!
抜けたまま放置すると歯と歯の間が広くなります。すると、食べカスがつまりやすくなり、虫歯を引き起こします。しかも、それは歯と歯に隠れて気付きにくいため、大きくなって痛むまで発見しにくい虫歯です。
また、隙間につまった食べカスは虫歯だけでなく歯周病も引き起こします。出血から始まり、歯を支えている骨を溶かし、最後は歯が抜けてしまいます。
さらに歯周病には、心臓病、脳卒中、糖尿病といった全身疾患にも影響があります。
悪影響④
噛み合わせと全身の関係
噛み合わせは全身のバランスを保つために重要です。噛み合わせが悪いと顎の筋肉に負担がかかったり、顎の位置がずれたりします。顎の位置がずれると、首・肩・腰の位置ずれ、筋肉の緊張など肩こりに影響します。
今からでも遅くない!
抜けた歯を放置することは、そこが「噛めない」、「見た目が悪くなる」だけでなく、お口全体に影響を及ぼし、最終的には全身へも行き渡って、寿命までも短くします。
健康寿命のためにも、もし抜けたまま放置している歯があったら、是非ご相談ください!^_^
では、抜けた後の治療の選択肢は何があるのか?ご紹介します。
選択肢①
ブリッジ
失ってしまった部分を、自分の歯(両隣)を土台にして、橋渡しして補う方法

メリット
◎固定式でお口の中の違和感がない
◎保険が適用できる
ブリッジは、土台の歯にしっかり固定されるため、義歯(入れ歯)のように取り外す必要がありません。
また、自然の歯の50%以上の力で噛むこともでき、痛みなども出ないため、義歯(入れ歯)と比べて違和感なく使用することができます。
保険が適用されるので、保険診療での治療が可能です。
デメリット
周囲の歯を削る必要がある
ブリッジには、橋渡しをするために土台となる歯を必要とします。ブリッジを装着するには、両隣の土台となる歯を健康であっても削らなくてはなりません。
周りの歯に負担がかかる
ブリッジは土台となる歯に大きな負担がかかります。噛むときに加わる力はほとんど土台にかかるため、歯が何本も無かったり、土台の負担能力を超える場合は不適応です。
場合によっては折れてしまうこともあります。
汚れが溜まりやすい
抜歯後、欠損部の骨が痩せて清掃が悪くなると歯周病が進行します。また、ブリッジの土台の周辺にはプラーク(汚れ)が溜まりやすく、虫歯や歯周病の原因になります。
保険適用のブリッジ
前歯
白い被せ物ですが、表面が特殊なプラスチック製のため見た目が不自然
奥歯
前から4番目の歯~奥歯にかけては銀歯
保険適用外のブリッジ
見た目を重視した素材を使用するため、天然の歯に近い被せ物で作ることができます。
奥歯も全て白い被せ物が可能です。
選択肢②
義歯(入れ歯)

メリット
◎ほとんどの方に適用できる
◎保険が使えるので安価
残っている歯が少なくても作ることができます。
ブリッジのように健康な歯を大きく削ることなく作ることもできます。
デメリット
違和感がある
特に入れ歯が初めての方は、食事や会話などに苦労されます。
保険の入れ歯は強度を保つために大きさや厚みが必要になるので、異物感や吐き気を感じることもあります。
また、厚みがある分、食べ物の温度や味が分かりにくくなることもあります。
お口の粘膜は繊細なので、入れ歯に慣れるまでに時間がかかることがあります。
しかし、入れ歯をつけないでいると入れ歯が合わなくなるだけでなく、お口の中にもさまざまな悪影響を及ぼします。
食べにくかったり、固いものが噛めない
入れ歯は天然の歯のように顎の骨に固定されているわけではないので、力をかけると歯茎が痛んだり、入れ歯が沈み込んだりして、十分な力が伝わらないことがあります。
歯茎と入れ歯の間に隙間があると食べ物が挟まることがあり、噛むたびに歯茎が押されて痛みを感じることもあります。
また、無理に固いものを食べると入れ歯がズレたり、割れてしまうこともあります。
バネをかける歯に負担がかかる
笑ったときなどにバネが見えることがある(部分入れ歯の場合)
バネでひっかけることで食事や会話の時に入れ歯が浮いたり外れたりするのを防いでくれますが、バネをかけた健康な支えの歯に揺さぶるような強い力がかかります。
本来その歯が受ける力以上の負荷がかかり続けることで、歯槽骨(歯を支えている骨)が破壊されたり歯の根っこが割れる場合もあります。
またバネは金属なので、笑った時や会話のときに見えることがあり、口元の見た目に影響することがあります。
天然の歯に比べて噛む力が低い
天然の自分の歯の噛む力を100%とすると、部分入れ歯は30%~40%、総入れ歯になると10%~20%程まで低下します。
保険適用外の義歯
・食べ物の熱い、冷たいといった温度が伝わりやすい。
・保険の入れ歯より丈夫なため薄く作ることができ、お口の中での違和感も少ない。軽い。
・金属のバネが不要で見た目が良く、笑っても金属のバネが見えないので入れ歯だと気付かれにくい。
・入れ歯の裏が柔らかいシリコンで痛くなく、よく噛める。
など、保険適用外にはさまざまなタイプの義歯があります。
選択肢③
インプラント
顎の骨にネジ状の人工歯根(インプラント体)を埋め込み、骨と結合させた後、その上部に連結部分(アバットメント)と人工歯を固定します。

メリット
◎見た目は天然の歯とほとんど変わらない
◎食事も快適、お口の中の違和感がない
◎長持ちする
◎周囲の健康な歯は削らなくて良い(周囲の歯も長持ち)
インプラントは見た目が自然で天然の歯のような仕上がりになるので、人前でも気にせず笑えたり会話ができます。
顎の骨にしっかり固定されるので、義歯のように動いたり外れたりする心配が少なく、しっかり噛めることができ、食事も楽しめます。
また、適切なセルフケアや定期検診の受診を続けることで長持ちします。
ブリッジのように周りの歯を削る必要がないため、自分の歯への負担を抑えることができます。
デメリット
保険が適用されない
インプラント治療は自由診療のため、ブリッジ、義歯に比べると費用が高額です。
一般的には治療期間がかかる
人工歯根が顎の骨と結合するまでに数ヶ月の治癒期間を要し、最終的な人工歯が入るまで長期間かかります。ただし、当院の場合、抜歯即時埋入を行っておりますので、治癒期間はブリッジや義歯と大きく差はありません。
お口の状態、全身の健康状態によっては適用できない場合がある
糖尿病や重度の歯周病、高血圧などの持病がある場合や顎の骨の量が著しく少ない場合は、手術が受けられない、または骨造成手術が必要になることがあります。
メンテナンス不足による炎症
天然の歯と同様に、毎日の適切なセルフケアや定期検診を怠ってしまうと、インプラント周囲の歯茎や骨が炎症を起こして最悪の場合インプラントが抜け落ちることもあります。
インプラントに関してよくある質問
Q.インプラント治療は痛みや腫れがありますか?
A.インプラント手術は外科手術を伴います。手術中は麻酔を行いますので、ほとんど痛みを感じることはありませんが、麻酔が切れた後は抜歯後のような痛みがでる方もいらっしゃいます。処方される痛み止めを早めに飲んでおく事により、痛みを抑えることができますのでご安心ください。腫れに関してもまれに抜歯後のように腫れが出ることもありますが、数日で引いていきます。
Q.インプラントはどのくらい持ちますか?
A .インプラントは平均10~15年は持つと言われていますが定期的なメンテナンスを行えば、20年以上長持ちさせることも可能です。(ブリッジは平均7~8年、入れ歯は平均3~5年)
Q.インプラントを入れているとMRI検査は受けられないのですか?
A.インプラントの多くはチタン製であるため、一般的にはMRI検査を受けることができます。磁石を使用していないインプラントであれば問題ないことがほとんどですが、種類によって異なる場合もあるため、MRI検査を予定されている方は事前に医師や歯科医師へ相談することをおすすめします。
定期検診で残っている天然の歯を大切に!
歯は快適に食事するために不可欠な道具です。
歯が抜けたまま、噛み合わせが悪い、といった状態ではしっかり噛んで食べることができません。
治療後は定期的に検診を受け、残っている天然の歯をできる限り長持ちさせることが大切です。
