Column

予防歯科

歯磨きって何分磨けばいいの?

こんにちは!

皆さんは、1回の歯磨きにどのくらいの時間をかけて磨かれていますか?

朝はどうしても時間が確保できず適当になりがちではありませんか?もしくは、夜、就寝前の歯磨きは時間をかけて丁寧に磨かれている方も多いのではないでしょうか?

一般的には、毎食後、3分程度の歯磨きが目安とされています。上・下合わせて28本(親知らずを入れると32本)の歯の汚れをしっかり落とすために、磨くとなると3分ほどかかるためです。

しかし、生活習慣によっては毎食後、3分間磨くことが難しい方も中にはいると思われます。1日のうち1回しか磨けないとしても、その1回にしっかりと時間をかけて歯磨きができれば、虫歯や歯周病になる可能性は低くなると考えられます。

では、歯磨きで1番重要なことは何でしょう?

歯磨きで1番重要なことは、「汚れを残さない磨き方ができているかどうか」です。

いくら、時間をかけて磨いたとしても、汚れが落とせていなければ意味がありません。普段の磨き方を振り返ってみてください。

テレビを見ながらダラダラ磨きをされていませんか?

ブラシに圧をかけ過ぎてゴシゴシ磨かれていませんか?

正しい磨き方を知っていれば、効率よく短時間で歯の汚れを落とすことができます。

歯磨きのポイント🪥

歯磨きには、「毛先の当て方」「力加減」「動かし方」の3つのポイントがあります。

1、毛先の当て方 毛先を歯面(歯と歯茎の境目)に当たるようにする

 歯と歯茎の境目には汚れが残りがちです。汚れが残ったままになると、歯茎が細菌によって炎症が起こし赤く腫れて、歯茎から出血する原因となります。

2、力加減 150~200グラムの軽い力(毛先が広がらない程度)で磨く

力をかけて磨くと汚れを落とせるイメージがありますが、逆に毛先が開き過ぎてしまい、汚れをかき出す効果が減ってしまいます。歯ブラシの毛先がすぐに開いてしまう方は力をかけ過ぎているサインです。優しく磨くことを意識しましょう。

3、動かし方 小刻みに動かす(5~10ミリを目安に1~2歯ずつ磨く)   

大きくブラシを動かして、何本もまとめて磨くと歯ブラシが当たる面が少なくなり、逆に磨き残しが多くなります。歯と歯の並びには凹凸があるので、小さく動かすことによりブラシの面が歯の面に当たりやすくなります。

 この3つのポイントを抑えると汚れを落としやすくなります。

また、磨く順番を決めておくと、磨き忘れや一部だけの磨きすぎの防止にもなります。

しかし、磨けているかいないかを見た目だけで判断するのは実際のところ難しいです。

そこで、当院では、ブラッシング指導の際、歯垢の染め出しを行い、普段の磨き方でどのくらい汚れを落とせているのかを実際に見てもらい、歯科衛生士から磨き方のアドバイスを行なっています。

磨けているところと磨けていないところを実際に目でみて確かめることによって、より歯磨きのモチベーションも上がると思います。

歯ブラシだけで汚れは完璧に落とせるの?

歯ブラシだけではどうしても汚れを落とせないところもあります。

それは、歯と歯の間です。

皆さんは歯ブラシだけで口腔内の汚れを何%落とせているか知っていますか?

一般的に歯ブラシで除去できる汚れは口腔内の60%程度であると言われています。

先ほどお伝えした歯ブラシの当て方のポイントを意識して磨いたとしても、歯と歯の間の汚れを落とすことは難しいのです。

では、どうしたら歯と歯の間の汚れを落とせるのでしょうか?

そこで活躍するのが、歯間清掃器具、いわゆる、「デンタルフロス」や「歯間ブラシ」です。

一度は使ったことや見たことがあるのではないでしょうか?

実際、歯ブラシと歯間清掃器具を一緒に使用した場合、歯垢の除去率は口腔内の80%~90%にも及ぶとされています。海外では、「ブラッシングよりもフロスの方が大事」だと言われるくらい重要視されています。

どのくらいの頻度で歯間ケアをしたらいいの?

歯と歯の間に残った磨き残しは、24時間以内に歯垢(しこう)になり48時間ほどで徐々に硬い歯石(しせき)になります。歯垢は歯間ケアによって落とすことができますが、歯石になると落とせない汚れになるので歯科院でのクリーニングが必要となります。大事なのは、歯石になる前に歯垢の段階で取り除くことです。

つまり、毎日、毎食後にフロスや歯間ブラシを通すことが理想です。ただ毎食後に通すことが難しい方もいらっしゃると思います。まずは、就寝前の歯磨きの時など、1日に1回、歯間のケアも一緒にすることを目標に始めてみてはいかがでしょうか?始めは慣れるまでに時間がかかるかもしれませんが、毎日続けることで習慣になりフロスや歯間ブラシを通さないと気が済まなくなるはずです。

「デンタルフロス」と「歯間ブラシ」の違いは何?

デンタルフロスは細い糸のような性質を生かして、ピッタリと並んでいる歯列であっても、歯と歯の間に入り込み、隙間の歯垢を絡め取ってくれるものです。ブラシが入らないところや歯茎の溝(歯周ポケット)などの汚れをしっかりと除去してくれます。

歯間ブラシは小さなブラシのような形をしています。歯の根元の部分(三角の隙間)に適しています。年齢とともに歯茎が下がってくると、隙間が広がってきます。そうすると、食べカスが詰まりやすくなり歯垢も溜まりやすくなってきます。そういった方は是非歯間ブラシを使うことをおすすめします。

歯ブラシと歯間ケアの順番はどっちが先?

では、歯ブラシと歯間のケアはどちらを先にする方が良いと思いますか?

順番とか関係あるの?と思われる方もいるかもしれません。

最適な順番は、『歯間ケア→歯ブラシ』です。

フロスや歯間ブラシを先に通すことで、歯と歯の間に溜まっていた汚れが押し出され、その後に歯ブラシを使用すると、歯磨き粉に含まれるフッ素が歯の隙間に浸透しやすくなります。フッ素は歯を強化し、虫歯に対する抵抗力を高める効果があるため、順番を守ることが虫歯予防効果アップに繋がります。

正しい順番を知っているとより効率的にケアができますね!

歯間清掃器具の正しい使い方

歯間清掃器具は正しい使い方を知っておくこともとても大切です。間違った使い方では反対に効果が半減したり、歯茎を傷つけてしまいます。

デンタルフロスの使い方

フロスには2つのタイプがあり糸タイプのものと持ち手(ホルダー)付きのタイプがあります。

糸タイプのものは40センチ程糸を切って、両手の中指に2~3回巻き付けます。中指と親指で糸をピンと張り、鏡で位置を確認しながら歯と歯の間にゆっくりと入れて使います。

持ち手(ホルダー)付きタイプのものは、ホルダーに糸がついたもので持ち手をしっかりと持ち鏡で位置を確認しながら使います。

挿入した後の動かし方は2タイプとも同じです。

  1. フロスを片方の歯の面に沿わせてノコギリのようにゆっくり動かす 
  2. 歯茎の中、1~2ミリのところまで挿入し、2~3回こする。

ポイントは歯茎の三角になっているところにグサッとならないように注意することです。

糸タイプのものは細かく操作ができ汚れ除去効果が高いです。

ホルダー付きタイプは指での操作が難しい方やご高齢の方、お子さんに適しています。

歯間ブラシの使い方

  1. 歯に対してほぼ90度で歯の根元(三角の隙間)にゆっくりと入れる
  2. 無理に押し込まず、軽い力で前後に2~3回動かす
  3. 表と裏の両方から通す

歯間ブラシにはサイズがいくつかあります。ご自身の歯間の隙間の大きさに合ったサイズを選ぶことが大切です。サイズが大きすぎるものを使うと、逆に歯茎を傷つけてしまい、歯茎がもっと下がってしまう原因になります。また、小さすぎるものを選ぶとブラシの部分が歯にうまく当たらず汚れを十分に落とせません。ご自身に合ったサイズが分からない方はぜひ一度、歯科医院に行き、専門医に使い方やサイズを確認してみてください。

このように、ご自身のセルフケアの仕方を見直すことで、虫歯や歯周病の予防に少しでもつながります。

当院では、ブラッシング指導を通して、お一人お一人にあったセルフケアの仕方をご提案しています。毎日のケアをより効果的なものにするためにも、気になることがありましたらお気軽にご相談ください。